「自分を変えるという言葉」


「自分を変えるという言葉」




 人と話すのが苦手な頃は、自分を変えよう、
変わらなきゃといつも考えていました。
ですが、なんと言いますか、変えようと
考えていた時期はいつも苦しくて、
つらかったことを覚えています。





 後になって分かったことですが「変えよう」と思うことは、
今の自分を否定していることの裏返しでもあったからです。




 今の自分はダメだから、違う自分にならなきゃ。
今まで一生懸命生きてきた象徴である
今の自分を否定するということは、
今までの人生を丸ごと否定してしまうようなかなり強い言葉です。





 イメージする自分(自己概念)
 実際の自分(経験)




 の距離がますます遠くなり、苦しくなり、
苦しいから日々がつらいものになり、
殺伐とした世界観が出来上がっていきます。





 周りがどう思っていたかはわからないけれど、
「変わっていない、ダメな自分」
を人前にさらすことはできない、
とても恥ずかしくて人と関わることを避けていました。






 その後心理学の勉強を進めていくにつれて
「変わらなきゃ」という考えは
ゆっくりゆっくりなくなっていきました。






 
 変わらなきゃという考え方の代わりに
「今までよくかんばってきたじゃないか」
「色々挫折もあるけれど、どうにかこうにか
 やってこれたじゃないか」
「今の自分でも受け入れてくれる人はいる」





 という考え方をするようになっていきました。
そうすると少し気が楽になって、
生活が楽しくなってきました。
人と話すときも少し楽になりました。





 「人と話すときに楽しく話せるように変わらなきゃ、明るくしなきゃ」




 と考えていても一向に楽しくなかったのに、苦しくなる一方だったのに





「今の自分でも受け入れてくれる誰かがいる」
「今の自分でも充分じゃないか」




 と勇気を持って受け入れたことで、
結果的に楽しく人と話せるようになったのです。






 心理学は得てして胡散臭い学問では
ありますが、私は本当に先人達の知恵のおかげで
不安もありつつも、どうにかこうにか幸せのかけらのような
ものを実感しながら過ごすことができるようになりました。 





 私はコミュニケーション能力を向上させるために
前向きに努力をすることはいいことだと思っています。
でもそれは変わるという感覚ではないのです。





 なんと言いますか、私は生徒さんに
「変わりなさい」という言葉はほとんど使いません。
変わりなさいという言葉を使うということは
今目の前の生徒さんではダメだと言っている
気がして抵抗があるのです。




 こうしたほうがいいかも、
とかああしたほうがいいかも、という言葉は使います。
そういう意味では結局同じなのかもしれないですが、
変わるという言葉はどうも苦手なのです。




 以前も書いたことがありますが、
コミュニケーション能力は
盆栽のようなものだと思っています。




 長年かけて少しずつ形を変えて
それぞれ味のある形になっていく。
今まで育ってきた幹の形はいまさらなかなか
変えることはできないのであって、
むしろその幹の形を活かしながら、
新しい部分を成長させていくのが正しい
姿なのかなと思っています。




 なので今自分の姿を見てみて、
それはそれとして一生懸命生きてきた結果としての
自分の姿なのであるから、まずはそれをしっかりと
認めて受け入れてあげることが大事だと思います。





 今の自分を否定するということは
盆栽で言えば、根っこの部分を刈り取るようなもので、
木をとても傷つけてしまうものです。





 大事なのはどう成長させていくのか
という感覚なのだと思います。
細かい否定はありかもしれませんが、
根っこの中心は認めてあげる。
それはもうそういった人生を
歩んできた自分自身なんだから。



 


 



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