「大学院で学んだこと」



「大学院で学んだこと」




 大学院では修士論文を書かなくてはいけません。
私自身は「成人のソーシャルスキルレーニングの開発と
主観的適応状態への影響」という論文を書きました。



 大学院の論文は基本的に
「原因と結果」を発見する作業につきます。



 例えば、
コミュニケーション能力が低いと友達が少ない。
という疑問があるとします。




*証明したいこと
コミュニケーション能力が低い(原因)→友達が低い(結果)


 
 私達はなんとなくこれを直感的には
理解していますが、実際これを立証するとすると
意外と大変なのです。




 論文を書くときはまず言葉の定義をしなくてはならないのですが、
そもそも「コミュニケーション能力」という言葉自体が
かなり怪しい?のです。学者によって定義がコロコロ変わります。





 また「友達」も曖昧な言葉です。
皆さんにとって「友達」ってなんでしょうか。
ひとそれぞれ違った価値観を持っています。
友達を定義するだけで哲学的な問いが必要になってきます。





 また因果関係を把握するには、
たくさんの方の協力が必要です。
心理学の論文は大抵統計をつかって
処理するのですが、60〜100問近い質問に
何度も答えてくれる奇特な人を
何十人〜何百人も集めなくてはなりません。



 社会人でそんなに集めるなんて
よほどお金を持っていて業者さんに頼める人ではなくは無理です。
そのため心理学の論文はほとんど
授業で強制的にデータを集めることができる
大学生を対象にして行われます。




 そうやって苦労して、作った論文で仮に
「コミュニケーション能力が低い→友人が少ない」
という因果関係が把握できたとしても、
それはあくまで、大学生の話であって、
他の年代はどうなの?といわれれば、
そこまでは証明できていないことになります。



 じじ、ばばで計ればもしかしたら
別の結果になるかもしれません。



 さらに言えば、大学生とはいっても大概は、
1つの大学に絞られたものになりますので、
○○大学の学生に限られた因果関係にのみが
統計的に立証されただけで、他でそういえるかというと
直感的にはそんな感じがしますが、論文としては
そこまで立証できていないことになるのです。




 さらにさらに考えると、
「統計」という手法にも限界があります。
統計は間違える可能性が絶えず存在します。
間違える可能性が5%以下なら心理学的には
まあまあ立証できましたね。
という話になるのですが、
間違える可能性が0%になることはないのです。




 心理学の論文はツッコミを入れだすと
きりがないぐらいツッコミを入れることができます。
どんなに偉い教授が作った論文でも
心理学はその性質として研究の限界と隣あわせなのです。




 一番何が言いたいのかというと、
私達には様々な考え方があり、
それぞれが正しいとか、間違っているとか、
考えながらそれを主張したり、
判断の基準として使っていますが、
絶対的な因果関係などどこにもないのです。




 これが私にとって大学院で学んだ
一番大きなことだったと思います。
心理学の勉強というよりも、
この事実を知ったことが人生観を変えたと思います。



 
 ああ・・・世の中に心に関して絶対的な因果なんて無いんだなと。
へええ〜と思いました。あたかも当たり前のようにある、
善悪に基づいたルールも実は明確な
因果関係が証明なんてされていないんだなと。




 世の中の相対的な価値観で、
絶えず揺れ動きながらできているんだなと。



 



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