「誤解です」


「誤解です」




*当コラムは皆さんの人生になんら役に立ちません


*あと当コラムはご飯の前には
 読まないほうがいいかもしれません




 先日ミスドで勉強をしておりました。
ミスドはカフェラテが飲み放題です。
私は一度ミスドに入ると3時間ぐらい出てきません。
その間、3杯は飲むと言う迷惑な輩であります。
(ただし必ずドーナツを追加で頼むようにしている)




 このように私はカフェラテをたくさん飲むので
2時間ぐらいするとトイレに行きたくなります。




んでトイレに行きますと、
おじさんがちょうど出てきました。




いやな予感がします・・・




案の定まあトイレに入るとちょっと臭いのであります。
鼻をツンザクとはこのことです。




 ここでふと心理学勉強した用語を思い出しました。
心理学には「馴化」と言う概念があります。
馴化とは、ずっと同じ刺激を受けていれば慣れてくると言う法則です。
例えば、飴を舐めたとしましょう。飴を舐めると最初はとても甘いです。
しかし、飴が小さくなってきた頃には、舌が慣れてしまって
最初ほど甘みを感じなくなります。これが馴化という現象です。




これと同じで苦痛も馴化していきます。
おじさんの臭いもずっと刺激を受けていれば
段々と馴化していくはずです。




 心理学を学ぶ上で、机上の空論ではいけません。
私はこの馴化の概念を血肉化しなくてはなりません。
これは絶好のチャンスなのであります。
そこで私は果敢にもこの魔窟とも言えるトイレに入ったのであります。




その後の話は・・・気息奄奄・・・
ちょっと生生しいので少し割愛します・・・




 んで1分ぐらいしますと、心理学の概念どおり、
徐々に苦しみが軽くなっていきます。
おじさんの臭さに馴化するのもなんだかそれはそれでメンタルヘルス
やられる感じもあって別の苦しみもあったのですが
ああまた1つ勉強になったなあ・・・と手を洗っていました。





 すると
「どんどんどん」っとトイレのドアを
ノックする輩がいらっしゃいました。




そんでもって


「まだ入っている(怒)!!!」


とどなってくるのです。




声は子供でした。多分小学校6年生ぐらいでしょう。
おそらくその子供はそのおじさんがトイレに入っている間
なん度かトイレに入ろうとして失敗したのでしょう。
声に殺気がみなぎっていました。




 んで、ちょうどそのおじさんが出てきた瞬間に
間男のごとく私が隙を見てそのトイレに入ってしまったようです。




 私はこのタイミングで出ますと、
以下の事例が生じることは容易に予想できました。




きっとその子供は




「このおじさん(このおじさんは私)か!!ずっと
ウンチしていたのは!!どんだけでっかいウンチをしていたんだ!!
そして・・・くさっ!!!くさい!!普段何たべたらこんな
くっさいウンチができるんだ!!!」


 

 という状態になることは明白であります。




 気の小さい私はこの事態になることを予測し、
自尊心を守るため、トイレにこもらざるを得ませんでした。



 2分程度立てこもっていたでしょうか。
馴化もかなり進みおじさんの臭いを
脳が完全にインストールし終えたのを感じます。




 自尊心を守ろうとした私は
子供の気配がなくなるのを確認し、
私はそっとトイレを出たのであります。




 しかし、あろうことかその子供は、
ドアの横にちょこんと静かにたたずんでいただけでありましした。
私が出るや否や私をちょっとにらみますと、
すばやくトイレに入っていったのであります。




 子供はきっと私をその臭いの犯人として認識したまま
これから70年と言う人生を歩んでいくのでしょう。
誤解、冤罪、・・・そんな用語が私の脳をぐるぐるとかけめぐりました。




 私は今回の事例を通して
世の中には表面的に見える事実と、
実際にあった事実は違うことがあるのだと感じました。
私が今まで「真実」として解釈していたものとは
別の事実があったかもしれない。




 もし私が誰かからいやなことをされたと解釈していたものも
実は別の事実から仕方なくそうなっていたのかもしれない。
そういった学びを私は32歳にして実感することとなったのですが、
それは是非とも他の誰かに伝えていきたいところです。




 そんなことを感じたので、
トイレから出てきた子供に



「僕ではないんだよ。」
「僕とは違うおじさんが臭いウンチをしたんだよ」


「人生にはこれからこういったことが起こるよ。」


「君はこれからもしかしたら誤解から人を責めてしまうことがあるかもしれない。
 でももしそれが事実と違ったらその人はとても傷ついてしまうんだ。
 実際僕はとても傷ついた。」



「でもいいんだ。君がこの事実から何かを学び取れたから。
 僕は嬉しい。そして僕も何かを学ぶことができたよ。」




と言おうと思ったのですが、
どもったらどうしようと思って
言えませんでした。






おしまい








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