「雪」




太郎をねむらせ


太郎の屋根 に雪ふりつむ


次郎をねむらせ


次郎の屋根に雪ふりつむ








 奥深い農村の夜。静寂の中でしんしんと雪が降り積もっていく。
子に対する暖かい愛情が、静寂さと寒さと複雑に絡み合う
独特の情感が描かれています。


 教科書にも確かあった気がしますが、これは三好達治(1900〜 1964)の
詩です。鳥取にある母方の実家に行くといつもこの詩が書かれている絵を
見ます。小さい頃から何度も見ていて、昔はなんとも思わなかったのですが、
不思議なもので今では大好きな詩の一つです。