「責任」


「責任」




 僕が今この平和な世の中に生まれ、洋服も着て、
明かりのある部屋に住むことができて、
好きな音楽を聴く事ができて、世界中を旅行することができて
自分の好きな本を読むことができて、
好きな勉強をする事ができて、
努力をすれば好きな仕事をする事ができて、
自由に動くことができる健康な体を持つことができて、
物を考えることができる頭を持つことができて、
食事を有り余るほどたべることができるのは、




 ご先祖様達が人間の生活をよくしようと努力し続けたお陰です。





 僕はそう言った人間の努力の結晶の上に生きています。
僕は自分で考えたわけでも無いのに、先人達の知識の結晶をただただ享受し、
悠々とした生活を送っているのです。





 あるご先祖様は、将来の子孫のために命を投げうったこともあると思います。
またあるご先祖様は、食べるものが無く、飢えに苦しんだ上で、
なんとか子孫を残そうと生き長らえたこともあると思います。





 僕の命はご先祖様が、僕のためを思い、精一杯つなげてくれた大事な命なのです。
僕の命は、僕だけの意思によってあるのではなく、およそ気の遠くなるぐらいに、
執念を持って受け継がれてきた命なのです。





 僕が今こうして、物質的な不自由を感じることなく
生きていけるのはご先祖様のお陰です。そして、その努力を
無駄にすることなく、私自身がまた次の世代を良くするために
努力を重ね、世の中を良くする責任を負っているのです。




 
 僕は自分の仕事を一生懸命行って、少しでも世の中がよくなるように
頑張らなくてはなりません。僕は健康な体と、考えることのできる
頭を頂いて世の中に生まれました。当たり前に感じるこの体と頭が
無い人もいます。勉強をしたくてもできない人がいます。




 僕はそう言った人の代わりとなって、少しでも世の中がよくなるように
頑張らなくてはなりません。自分が頑張ることの99%は世の中のためです。
自分のために生きるのは残りの1%でよいと考えています。




 僕は一生をかけて、世の中のために生きて、
そして自分自身がいる事で世の中が少しでもよくなったと
実感できたなら、そのときは少しだけ自分を誉めてあげて
良いのではないかと考えています。




 やらなくてはならない事が沢山あります。
勉強しなくてはならない事が沢山あります。
創り出さなくてはならない知識があります。
社会に根付かせなくてはならない習慣と価値観があります。




 人生ははじまったばかりです。
やれるところまでやります。



 
 



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