「効果があるということ」


「効果があるということ」




 最近自分の中でとても嬉しいことがありました。
これだけ嬉しい出来事は本当に久しぶりです。
簡単に言うと、人間関係講座の効果を科学的に
ある程度証明できたのです。特に成人用の講座の効果を
証明できている論文はほとんど無いのでこれは、
とても意義のあることなのです。



 そして何より、自分が取り組んできた講座について
それが正しかったと統計的に言えるようになったことが嬉しいのです。
「なんとなく効果があった」のではなく、
「心理統計的に効果あった」ことが大きいのです。



 企業研修について、その効果があるかどうかは
なんとなくの世界でした。企業研修を行う多くの会社が
アンケート結果の平均値や感謝の言葉などを並べて
「効果があります」と詠いますがこれでは
統計的に立証したことにはなりません。



 私はそういった企業の姿勢が嫌だったので
どうしても統計的に証明したかったのです。
ここ3年間の取り組みに合格が出たというか、
胸を張って生徒さんに講座を勧めることができます。



 研究としてはまだまだ粗があるのですが
たたき台の論文としては1歩進んだと思います。
まだ小さいですが、やっと入り口がこじ開けられた。
そんな気分です。ちょっとだけ自分を誉めてあげたいですね。
 特に人間関係講座は私が講師として一番力を
入れてきた講座でした。本当に嬉しかったです。






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以下 簡単な研究デザイン
興味のある方は読んで見てください^^


測定時期
・講座1回目、3回目、6回目終了後

尺度
・成人用ソーシャルスキル尺度
(相川先生のソーシャルスキル尺度を
 因子負荷の高い順に24個に削った)

・対人不安尺度
 (因子負荷の高い順に20個に削った)


サンプル数
・全部で8人


*講座を全て出席された方のみ
 1回でも欠席された場合は統計処理しませんでした。


成人ソーシャルスキル
1回目 平均57.375
2回目 平均57.625
3回目 平均64.625


(ソーシャルスキルの得点は増えている)
(会話がうまくなっている)
(統計的に立証できるレベル)


とりあえず簡単な処理として
1要因の分散分析にかけた。5%で有意差が出た。
サンプル数が8しかないのによく健闘してくれたと思う。
数が増えたら、クラスター分析をして、群ごとに2要因の分散分析にかけてみたい。

宿題をほとんどみんなやってきていない状態で
有意差が出ているので、もっとやる気を出して
本気でトレーニングすれば、もっと効果が出ると思う。


対人不安
1回目 平均53.25
2回目 平均54.5
3回目 平均49.5


(対人不安の得点が減っている)
(人と接するときの不安が減っている)
(ただしこちらは統計的には立証できるレベルではない)


対人不安は有意差が出なかった。
ただ平均は明らかに減っている
サンプル数を3倍ぐらいに増やせば
有意差が出ると思う。


本研究の問題
・サンプル数が少ない
・講座をやめた方の状態は分からない
・統制群を設定していない
・相川先生の尺度の因子構造を再検定する必要
・フォローアップ期も計りたいところだが現実的に難しい



物理的に改善が難しい点もいくつかありますが、
今後の研究でできる限り穴をなくしていきます。


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