「ありがとうキンカ堂」

kawa-direct2010-03-20





「ありがとうキンカ堂




 すでにご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、
創業ほぼ60年のキンカ堂が先月倒産しました。
キンカ堂は生地と洋服のお店です。
なんとも言えない安心感があり、私はよく出入りしていました。
今年も1月に2000円の安いマフラーを買ったばかりでした。



 倒産したのは2月22日でした。
私は当日たまたまキンカ堂の前を夜遅く通りがかりました。
冬の寒い日でした。誰もいないシャッターの前に
営業停止の文字が書かれた一切れの紙のみが貼ってありました。
私はキンカ堂の前をしばらく動けませんでした。



 つい先日まで存在していた会社が、
気がつけば倒産してしまう。社会の厳しさ・・・
1つの大事な居場所を失ってしまった寂しさ・・・




 株式会社は営利団体です。利益を上げて社員のお給料を頂き、
お客様にサービスを提供する。株式会社は社会の公器であり、
利益を上げ、税金を社会に還元し、さらなるサービスを
提供するため設備投資をして成長していきます。
会社の提供しているサービスが社会の要請と異なったとき、
売上は下がり、利益が無くなり、社員が食べていけなくなり、
その団体は「仕事」を終えることになります。
移り変わりの激しい世の中です。それは仕方の無い事です。



 
 キンカ堂は物質的な需要としてはその社会的責務を終えました。
しかし、生地手芸と言う暖かみのある商品を提供し、
多くの方の心には愛されていたようです。
3月19日に再び前を見ると、営業を停止している
キンカ堂のシャッターの前に人だかりができていました。
よく見ると多くの方のメッセージで埋め尽くされていました。



 以前はただの無機質なシャッターでしたが、
「ありがとうキンカ堂」「お世話になりました」「また帰ってきてね」
誰も強制されたわけでもなく、自然と書いていったのだと思います。
なんとも言えない暖かい気持ちになることができます。
良かったなあ。お疲れさまでした。と自然に思うことができます。



 中には経営者に対する叱責の言葉もいくつか書かれていました。
もちろん会社を倒産させてしまった責任は経営者にあります。
しかし、経営者にとっても会社は生活の糧であり、かつ人生そのものです。
経営者は孤独です。最後は全ての責任を負い、かつ決断を全て自分でしなくてはならない。
 おそらく倒産させるに当たって相当な重圧があったでしょうし、
苦しみがあったと思います。誰にも相談できないこともたくさんあったと思います。
だから私は暖かい会社を長い間存続させてくれてありがとうと言いたいです。




 キンカ堂が無くなったことはせつない。
 だけど無くなったことで分かる人の心の暖かさ。
 複雑な気分です

 
 
 


 
 
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