「デフレ」

「デフレ」



 吉野家松屋すき屋が相次いで牛丼を値下げしています。
どこの牛丼も250〜280円・・・まともな利益が出るわけがありません。
内部留保を切り崩し、消費者に配当しているようなものです。
わかりやすいデフレの構図がここにあります。



 売れない→値段を下げる→給料が下がる→売れない→値段が下がる・・・




 胃袋は有限ですから、「牛丼業界」に客を取られ、
「売れなくなった別の業界」も値下に走っていきます。
「業界と業界の競争」も始まり、また値下げが始まります。



 競争社会では、市場が成熟すると最終的には
特定の数社だけが生き残ります。
そしてその市場で働いていた労働者に
ある意味で自由な時間ができます。
そしてその労働者達によって新しい市場が形成され
新たな雇用が生み出されていきます。



 しかし今の社会はもはや成熟してしまっていて
なかなか新しい市場を作り出すことができません。
ですので既存の業界で少し給料は安いけど
皆で分け合ってなんとか支えあっている。
そんな状態でしょうか。




 昔は消費税も無ければ、税金も安く、
銀行の利率は8%とかは当たり前で、
資産も持っていれば勝手に値段が上がっていました。
もちろん物価もそれに応じて上がって行ったのですが
それでも今よりはお金が貯まりやすい社会だったでしょう。




 年収は昔に比べ統計的にも下がっているようです。
さらには税金は上がり、高齢化社会ですので私達は年金を
払って老人達を支えて行かなくてはなりません。
今の若い世代はなかなか大変な時代です。




 ただ、悲観していてもしょうがありません。
私達はこうして戦争の無い平和な社会と
世界的にもかなり安全な暮らしが約束された生活をしています。
爺さん婆さん、父親、母親の世代に感謝しなくてはなりません。




 若いということは柔軟であるということと、
変化に強いということが強みです。
今までに無い、市場を作っていくのはいつの時代も若者です。
物を考えることができる健康な脳みそをもらったことに感謝して
できることを個人個人でこなしていく。


 社会に文句を言う前に一生懸命勉強して、
目の前の仕事を少しずつ改善していく。
真面目にやるしかない。




 誤解を受けたら申し訳ないですが、
私は景気が悪いことで得ることもあると思っています。
享楽的に生きることが難しい状態では
謙虚で真面目に助け合って生きていかざるを得ない。
ある意味で国民全体で、精神の修行をしている感覚というか・・・


 
 
 仕事帰りに立ち寄った夜0時の吉野家は人がいっぱいでした。
スーツ姿のサラリーマン、学生、ガードマン、
仕事前?のホストキャバクラのお姉さん・・・
それぞれが一生懸命働いて稼いだお金で口に糊をする。



 店員さんも生きていくために世話しなく働き、
いらっしゃいませ、ありがとうございました、お待ちどう様と
声を掛けていく。それぞれ会話は無いけれど、
どこか非言語で一体化している。
なんとか生きていこうぜという意思を感じる。




 私もツユダク、大盛りの牛丼を安く食べられることに
感謝してそんなことを思うのでした。おいしかったです。
決算が赤字で大変なようですが吉野家ありがとう。
 







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