「秋の雨」 - ダイレクトコミュニケーション講師　評判　ブログ2013

「秋の雨」

外ではシトシトと雨が降っている。
雨の音はそれ以外の雑音を消してくれる。
とても静かだ。

しばらくそれを聴いていると
秋独特の物悲しさが身を包む。

5年前、僕はなんだか世の中が
おかしな方向に向かっていると思いこの仕事を始めた。
それは僕の中にあった直感だった。
便利な世の中だけど、どこか寂しい。
人の暖かみはどこにあるんだろう。
そんなことを感じてこの仕事を始めた。

それ以来コミュニケーションと言う極めて哲学的で
正体不明の物の怪と対峙し続けてきた。

時にこの難解な概念に対する
圧倒的な無力感に支配され
もう嫌だと思うこともたくさんあった。
苦しい時間がたくさんあった。
自分の力の無さを呪う日がたくさんあった。

自分自身が完全でないがために
「自分がしてきたことで」
迷惑をかけることもある。
罪の意識は絶えずある。

しかし自分が弱っているとき、
自分の仕事に猜疑心の欠片を抱いた時に
講座の中での生徒さんの成長を感じる瞬間がある。

前は自己紹介だけでおどおどしていた生徒さんが
今日は堂々と話していた。
積極的に自分から話しかけようと
がんばっている生徒さんがいる。
休日に生徒さん同士で遊んだと報告を受ける。

自分が行った仕事によって
人が繋がったり笑顔になっていることも確かにある。
確かにあるのである。そう気がつかせてくれる。

ただ1つの確信があるとすれば、
基本を守って人と接すれば
気苦労やトラブルもある代わりに
それ以上の楽しみや成長を得ることができるということだ。

基本さえ守っていれば
時に喧嘩したり、劣等感に苛まれたりすることが
あるかもしれないけれど、同時に共感したり、
楽しんだり、感動したり、笑いあったりすることができる。

僕はそれを体の芯から感じるのである。

　
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