「何かが間違っている」 - ダイレクトコミュニケーション講師　評判　ブログ2013

「何かが間違っている」

　木曜日にWEBの対策をしてくれる営業の方と
目白の喫茶店で打ち合わせをした。
よく使っている居心地の良い喫茶店。

　17時に待ち合わせだったので少し早めにお店に入ると
黒いワイシャツに身を包んだ笑顔の店員さんが
暖かく迎えてくれる。

　コーヒーを頼み2階の席に向かう。2階はとても混んでいる。
学習院や日本女子大の小奇麗な女の子達が本を読んだり
雑誌を読んだり、恋愛話に花を咲かせて各々過ごしている。
皆小奇麗な洋服を身にまとっている。

　私が大学生の頃は、お金が無かったから
青っ白い顔をして、ユニクロの服とボロボロの靴を履いて
吉野家や松屋に行くのが精一杯だった。
あんなにかわいく生まれて、綺麗な洋服を
着ていたら楽しいのだろうなと思う。
彼女達は彼女達なりに悩みはあるのだとおも思うが。

　
本を読んでいると10分後に営業の方がいらっしゃった。
骨太でいかにも「営業の方」と言う印象である。
六本木にある上場会社の方でスーツを綺麗に着こなしている。
誠実で頭も良く、率直に自分の意見を持っている。
とても好感が持てる方だった。

　打ち合わせが終わると友人に無理やり誘われた
ビジネス系の異業種交流会に出るために新宿へ行く。
ビジネス系の交流会に行くと、成功願望が強い方が集合し、
お金儲けの話に花を咲かせている。皆自信満々である。
少しその自信を分けて欲しいと思う。

　交流会が終わりなんだか疲れてしまった私は
夜の10時に漫画喫茶で休むことにした。
スラムダンクを読み出すと止まらなくなってしまい、
結局終電を逃してしまう。自己嫌悪・・・
いや、しかし、10年ぶりに読んだスラムダンクは面白い。

　午前の4時に読破し、始発まで時間があるから、
徹夜してしまったことを反省するために
寒空の新宿を歩くことに。

　歌舞伎町のあたりを歩いていると中国人のお姉さんが
「マッサージいかが、オニーサン」と声をかけてくる。
遠くの国に出稼ぎに来て、こんなに寒いのに朝4時に店の前に出て
客引きをしている。体を売っている人もいるだろう。
なんだかせつなくなる。

　せつないから邪険にも扱うことが
できず「いやあお金ないからごめんね・・・」と
中途半端な対応で歩く。脈があると勘違いされ、2分も3分も付いてくる。

　途端に目白の喫茶店でいた小奇麗な女の子達を思い出す。
一体この客引きをしている女の子達と
目白の女の子達のどこに人生の違いがあったのだろうかと思う。

　一方では暖かい綺麗な喫茶店でお茶を飲み、
綺麗な洋服を着て勉強をしっかりする環境を得て、
自分なりのキャリアを積んでいる。
一方では夜の歌舞伎町で、この寒空の中体を売って
日銭を稼いでいる女の子がいる。
どうしても比べてしまう。
　

　マクドナルドの近くを通ると5,6人の人だかりが。
よくみるとホームレスの方々がごみの中からハンバーガーを探していた。
しおれたポテトを一生懸命袋につめている。

　新宿の地下道に行くと、ダンボールに
包まるホームレスがたくさんいた。
ざっと100人はいたと思う。
昼間は雑踏でごった返しているその場所が
夜はホームレスの寝床になっている。

　そのうち何人かはおきている。
ある人は誰も話し相手がいないのに繰り返し、繰り返し、
同じ内容のことを話している。
まだ若そうな人だったから発達障害を抱えているのだと思う。
多分人生で色々な事があって最後は新宿の地下に行き着いたのだと思う。
胸が苦しくなる。

　ある人は統合失調症を抱えているのか、
しきりに顔の前にある「何か」を払うしぐさをしている。
明らかに精神疾患を抱えているレベルだから
生活保護の対象になるはずである。
しかし、彼はそこにいる。
彼が望んでそこにいるのか、
生活保護を受ける知識が無いのかそれはわからない。

　
　途端に目白で打ち合わせをした優秀な営業マンや
異業種交流会の自信満々なビジネスマン達が脳裏をよぎる。
どうして人間にはこんなにも差ができてしまうのだろうか。

　　
　院の教授が

「生まれながらに自分の力で乗り越えていく能力が無い人がいる。
能力があるのに努力できない奴は仕方が無いが、
元々乗り越えていく力が無い弱者は力のある奴が助けてあげる
ような社会を作らないければならない」

　と言っていた。人間の能力は等しくない。
体が大きい人と小さい人がいるように脳にも差がある。
努力では埋めようのない差もある。

　「何かが間違っている」

　夜の新宿はそう主張している。

　
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好かれたい
強く思うと
ぎこちなく

3/21（土）、3/27（日）

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