「欲のコントロール」 - ダイレクトコミュニケーション講師　評判　ブログ2013

「欲のコントロール」

　
　こうありたいとか、
　こうならねばとか、
　こうあるべきだったのに、

　とか考えると、それに到達していない
自分にイライラすることになる。

　しかしながら、
　

　こうありたいとか、
　こうならねばとか、
　こうあるべきだったのに、

　と「ある程度」は考えないと人間はなんだか
エネルギッシュになれない。

　欲はコントロールが難しい。　

　大きすぎてもいけないし、
　小さすぎてもいけない

　仏教だと自分が生きていくための欲
以上を持つと悩みに取り付かれると教える。
欲は悩みの根源だからなるべく、
控えるようにする。無の状態こそ仏される。

　森田療法では欲望を生の欲望と死の欲望に分けて、
特に死の欲望を控えるように教えられる。

　認知行動療法では、完全になろうと言う欲を
控えるように考えられている。

　来談者中心法では自己一致と言う概念を用いて、
現在の自分と、あるべき自分の折り合いをつける必要が
あると考えている。また、自己受容という概念も
欲のコントロールに近い。

　私自身のことを考えると、
対人恐怖症になった22歳前後が最も
欲が深かったように思える。
欲の渦にとりこまれて、自己否定に取り付かれて、
自己価値が著しく減退していた。

　段々と年を取り、できることとできないことが
明確になり、そして必要以上の欲を持たないようになると
段々と楽になってきた。欲望むき出しで進むのも、
穏やかな気持ちで作業するのも結果はそんなに変わらない。
作業は作業。やることがそんなに変わるわけではない。
結果もそんなに変わらない。

　そんな感覚が身についてくると、もちろんブレはあるが、
段々と落ち着くことができるようになった。

　町中で野良ネコを見ると、
なるほどあるがまま生きているように見える。
飼い主がいないから、明日の食事がもしかしたらないかもしれない。
家が無いから夏は暑いし、冬は寒い。

　人間で考えれば相当な過酷な状況である。
明日家を追い出されて、お金を失い、
頼りになるのは他人からの施しだけ。
とてもじゃないが精神的に耐えられそうにない。

　だが野良ネコは今日の飯にありつけさえすれば、
今その満腹感を楽しんで、ゴロゴロと昼寝をすることができる。
将来のことを悩みすぎる人間に比べてよほど潔よいなと感じる。

　
　もちろん人間は欲があるからこそ
発展してきたが、欲があるからこそ苦しむ。
どうバランスをとるかが幸せに生きることができるかどうかの
鍵なのだと感じる。

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