「和を乱す人は目立つ人?」



「和を乱す人は目立つ人?」




 S.シャクターは次のような実験をしました。


・7〜8人で討論を行います
・サクラを3人用意します
・それぞれ、同調者、移行者、反対者の役割を負います



*同調者=賛成派に絶えず同調
*移行者=最初反対派で途中から賛成派に移行
*逸脱者=終始反対




以上の役割構成で討論を行いました。






 結果コミュニケーションが集中する頻度としては、
以下のようになりました。






同調者→ コミュニケーションはあまり起こらない

移行者→ 反対派の時はコミュニケーションが多い
     賛成派に移行し、賛成派として安定した後、
     コミュニケーションの量が減る 

逸脱者→終始コミュニケーションの量が多い







 この実験結果から言えることは、
集団には「1つにまとまろう」と言う動きがあり、
その和を乱すものには、集団の注目が集まる
と言う点です。



 この性質を利用すると、「注目されたい時は、
集団とは別の意見を述べれば良い」と言えるでしょう。
 会議の席でいつも目立たないと言う悩みがある方は
使えるスキルです。多数派にいては目立つことは
できませんからね。



 注意点もあります。絶えず集団から外れる
発言を繰り返していると、集団からはじかれてしまう
と言う問題です。いつも反対意見ばかりを繰り返して
いるといずれ集団から必要ないと思われてしまいます。




 集団とはある程度の共通点を持っていないとまとまらないので、
共通点を持ちつつ、その集団がよりよい方向へと
向かうためにたまに逸脱し、刺激を与えるぐらいが
丁度良いのでしょう。

 

 
 自分の意見をもち、協調しつつも、集団を
より良い方向へ導く、良い意味での逸脱者は
集団にとっていつでも必要な存在なのです。









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