「寂しさ」


「寂しさ」




 
 僕はひとりだ。ふと我に返る。




 ひとり暮らしは残酷である。
ひとり暮らしの部屋に、暖かみは無い。




 「ありがとう」と伝える相手もいなければ、
共に笑い合える人もいない。
あるのは自分の感情と思考だけである。




 部屋はただただ、静かである。
感情と思考はますます寂しさへ向けられる。




 どうして僕は独りなのだろう。
どうして僕は孤独なのだろう。




 僕はあの時の忌々しい時代の僕に
戻ってしまったのだろうか?と錯覚する。


  


 部屋はとても静かだ。





 僕はひとり。
ただポツンと、そこに存在している。

  







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