「伝えたいこと」


「伝えたいこと」




 今日は私の誕生日のために
講座の生徒さんが75人も集まって、
お祝いをしてくれました。
 それは言葉では言い表すことの
できないぐらい暖かいものでした。



 
 思えば私は、18歳ぐらいの頃から人が怖くなり、
まともな人間関係を築くことができませんでした。
 私は長い間、孤独に苦しんできました。
人と接したくても、劣等感にさいなまれ、頭を抱え込んでいました。




 孤独とは心底恐ろしいものです。
人間関係を築けないということは、
社会的な死を意味します。私はさびしかった。
誰も私を必要としてくれなかった。
苦しくてしょうがありませんでした。



 私はなんとかこの状況を脱しようと、
様々な心理療法を試しました。
そして数年間という長い時間はかかりましたが、
なんとか自己解決をはかることができました。




 そして私は会社員となりました。
会社員の仕事はとても楽しかった。
私は2年間、会社員として働いてきました。




 しかし、そうして働いているうちにも、
私は同じ思いをしている人がいたら、
どうにか助けたいと言う思いを持ち続けていました。




 そして私は本当に何の保証もなしに、
コミュニケーション講座を作ると決め、
会社員をやめました。
 なんの保証もないということは、収入のあてもないし、
生徒さんが集まるという保証もないということです。




 収入がないというのは精神的に堪えました。
コミュニケーション講座を創るまで、
会社員時代に一生懸命貯めた貯金は
どんどん減っていきました。





 そして退職した当時、私は弱っていました。
弱い男には魅力がありません。
 私はどう考えても、もてませんでした。
「コミュニケーション講座を創る」と言っても
周りが理解できるわけがありません。
私は理想だけの口だけ男でした。
 周りから見れば、私が勉強したことは
無駄なことに見えたと思います。




 そしてついに、5年間付き合っていた彼女にふられました。
私の唯一、心を許していた人が私の元を去ったのです。
 それは仕方のないことでした。
私にはどうひいき目に見ても未来がありませんでした。
私はここまで一緒に努力してきてくれた彼女に感謝し、
運命を受け入れざるをえませんでした。





 そして再び忌まわしい孤独との
戦いが初まりました。





 私は限界まで追い込まれました。
会社員を辞め、無職の状態が半年続きました。
傍から見れば、働きもせず、ダラダラと生きているように見えます。
胸を張って生きることができない状態がとてもつらかったのを
昨日のことのように覚えています。




 毎日が生きるか死ぬかの戦いでした。
笑顔は完全に消えていました。
 未来を信じ、365日休むことなく働き、
睡眠時間を削って勉強しました。




 そしてある日、ついに生徒さんが1人応募してきてくれたのです。
このときほど、嬉しかったことはありませんでした。
 7年間の苦労がすべて、成果となって帰ってきたのです。
この日、私はやっと人並みになることができたのです。




 今振り返ればこのときは
貯金がほとんど底をつきかけ、
アルバイトをして会社を存続させることを
決意していました。





 最初の講座は8人からスタートしました。
それはとてもつたない講義でしたが、
なぜが生徒さんは定着してくれました。
とても不思議でした。




 そのうちの4人が今日来てくれました。
とても嬉しかった。最初に前に
来てくれた4人の若い男の子たちです。
 また、各教室の立ち上げの時から
私を支えてくださった、7人の方達。


 

 今のコミュニケーション講座があるのは
未熟な私を慕ってくれた、当初の生徒さんが支えてくれた
おかげなのです。私は一生頭が上がらないでしょう。




 もちろん今の生徒さんにも心底感謝しています。




 1つだった教室は、少しづつ増え、
生徒さんの数もいつの間にか100人を超えていました。
 そして、今日の日があった。生徒さんは胴上げしてくれました。
私がボソッと、「いつか生徒さんに胴上げされるのが夢だ。」
とつぶやいていたのを、覚えていてくれた生徒さんがいたのです。


 

 私は講師として愛する生徒さんに
伝えたいことがあります。



 それは、「人生は一度しかない」ということです。
一度しかない人生ですから、自分の人生に即した目標を見つけ、
後悔の無いように、どうか精一杯頑張って欲しいのです。




 結果が出るまでは忍耐の連続です。
じっと我慢するしかないです。
私は我慢の時代が7年続きました。
それは途方もなく長い時間でした。
でもいつか努力は結実すると信じ、
どうにか頑張り抜いて欲しいのです。


 
 社会は誰かのために尽くそうとする人間に、
最後は微笑んでくれます。
 今一生懸命勉強したり、働いたりすることは、
誰かのために尽くすことを繋がっていなくてはならない。



 自分の利益のために働いても社会は認めてくれません。
だけど、自分が誰かのために毎日何かやろうと
考え尽くし、努力し続ければ、
いつかは社会が認めてくれるのです。

 


 これは私が生徒さんから教わってきたことです。
本当に感謝しています。

 



 今日のご褒美は講座の内容を充実させる
ことで恩返しをしたいと思っています。
何度も宣言していますが、
私は世界一楽しい、暖かい講座を創ります。




 そして皆さんは生き証人です。
頼りない講師かもしれませんが、
どうか見守ってやってください。




 いつもありがとう。




 平成20年 2月23日

 愛する生徒さんへ
 川島達史より







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