「コミュニケーション能力と孤独感,孤立」


「コミュニケーション能力と孤独感,孤立」




 レウィンソン(1974)はコミュニケーションの不足は
孤独感を増幅させ、鬱病への要因となると主張しています。
人間は孤独になると、不安を感じるという性質を持っています。
書籍にも書かせていただきましたが、これは生物学的な要因が
大きいと言えます。




 人間は集団を形成して、行動してきた生物です。
人間にとって孤立するということは、生命の危機に関わる
重大な出来事なのです。そのため人間は孤立すると、
「不安」を感じるようにDNAにプログラミングされています。
「不安」を感じることで、「危機的な状況を変えなければ」
という気になるのです。人間にとって「不安」と言う感情は
とても重要なのです。




 しかし、孤立し続け、不安を長く感じ続けていると精神的に
つらい状態に追い込まれます。その結果、鬱病といった
精神疾患の一要因なったりします。自らを助けるはずだった
「不安」が、逆に自分を苦しめる感情に変わってしまうのです。




 この状況を打破するには、コミュニケーション能力をつけ
孤立した環境を変える必要があります。また、ただ単に人と接する
という状況を作ると言うだけでは本質的な解決には至りません。
人と接する機会を作るのは最低条件で、より能動的に人と接し、
「心的報酬」を得る機会を増やすことが求められます。




 心的報酬を得る機会を増やすとは、例えば、彼女から「好き」といわれたり、
職場の上司から「○○君なしでは、このプロジェクトは成功しなかったよ。ありがとう。」
家族から「今日もお疲れ様!」と言われる機会を増やすことです。
そうすることでやっと、孤独感は薄れていきます。





 そして、そういった心的報酬を得るためには、まず自分自身が
変らなくてはなりません。心的報酬は、何もせずに相手からもらえる
ことはまずないのです。まず自分自身が誰かに何かを与えることで初めて
得られるものだからです。この心構えを飛ばして、「自分は孤独だ」と
悩んでいても一向に問題は解決されません。
「孤独だ」と悩む前に、まず自分自身が誰かに対して、
何かができるのかと立ち止まって考えてみましょう。





 それは小さなことからでいいのです。手伝いをする。飲み会を企画する。
好きな人とために、少しお洒落をする・・・。そうして、そういった努力が
実を結んだとき、初めて人はあなたのことを必要としてくれるでしょう。





 孤独は心底おそろしい状態ですが、それは永続的なものではなく、
自分自身が変ればその状況も変化します。
そしてそういった状況の変化から、人は不安から解放されて、
幸せな人生を歩むことができると考えています。









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