「その定食は僕のです」

「その定食は僕のです」




 今日の夕飯は大戸屋でした。
今日は、朝みかんを3つ食べただけで、
他に何も食べていません。
エネルギー不足で目眩がしていました。




 意気揚々と夜10時ごろにお店に入り、
私はサバの大盛りの塩焼き定食と
納豆とコロッケを頼みました。
 しばらく焼き魚を食べていなかったので、
よだれがでます。そして、愛しのコロッケです。
絶対にソースをたっぷりかけてガッツクのだ!
っと気が気ではありません。




 大戸屋は大混雑!2人がけの席は空いてなかったので、
独り用のカウンターの席で待っていました。
カウンターもぎっしりで、
サラリーマンや学生さんが座っていました。




 10分ぐらい待つと、店員さんがきて、
私の隣のサラリーマンの方に食事を渡しました。
よく見ると、その中身は大盛りのサバの塩焼き定食と
納豆とコロッケです。そしてそのサラリーマンは
おもむろに食べ始めようとしました。





 腹を空かせた獣である私は思わず、
「その定食は僕のです〜!」
っとちょっと潤んだ目で叫んでしまいました。





 するとそのサラリーマンの方は、
「いやあこれを頼んだのですが・・・」
っとちょっといぶかしげに私に言うではありませんか!
そ、そんな馬鹿な・・・だって大盛りですよ?
納豆ですよ?コロッケですよ?
もう夜の10時だし、こんな頼み方する人がいるなんて
私以外にはなかなか居ないはずです。





しかし、サラリーマンの方はさも当然の
ようにわしゃわしゃと定食を食べ始めました。





ああ・・・私の定食が・・・うまそう・・
ああ・・・そんなサバのおいしいところを
一口で・・・羨ましい・・・
ああ、コロッケにしょうゆを
かけて食べるなんて・・・
ソースでしょ・・・





っと思いながらも半信半疑で
待っていると、5分後ぐらいに店員さんがきて、
「お待たせしました」
っと大盛りのサバ定食と
納豆とコロッケを私に渡しました。





そうです!なんと同じコンビネーションで
そのサラリーマンの方は注文していたのです。




「ス、スイマセン(汗)まったく同じですね」





っと顔を赤くして謝ると私達は仲良く同じ定食を
両隣でおいしく食べたのでした。
周りからみれば、仲良し同士に見えたことでしょう。






サバ定食。ネタも仕入れたことですし、
2度うまかったです。









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