「性格は遺伝?治せるの?」


「性格は遺伝?治せるの?」





(今日はちょっとややこしいブログです)





・性格と遺伝に関する諸説



コミュニケーションが円滑に行くかどうかは、
その人が持つ性格に大きく影響されます。
ここで1つの大きな疑問が生まれます。
果たして私達の性格は、治せるのでしょうか?



もし私達の性格が持って生まれた遺伝的なもので、
背の高さや肌の色と同じように変化しにくいものだと
すれば、その改善は難しいものだといえます。



しかしながらもし背や肌の色のように固定的なものではなく、
筋肉の量や体重のように変化しやすい
ものだとすれば改善は可能だと言えます




性格が遺伝によって規定されるか、
環境によって規定されるかと言う
という問い関しては、
環境闘値説と層理論が有名です。




環境闘値説
人間は遺伝的な性格を持ち、かつその性格が強くなるかどうかは、
環境の影響を受けるとする理論です。例えば攻撃性が強い遺伝子を
持つ人でも、平和な世界ではその攻撃性は
抑制されます。ジェンセン(Jensen,A.R.)によって提唱されました。




層理論
人間の脳を知性的上層(皮質)と内部感情的基底層(辺縁系扁桃等)にわけ、
前者が環境の影響を受けやすく、後者が遺伝を受けやすいとする理論です。
ゴットシャルトによって提唱されました。




結論付けると、私達は遺伝的に基礎となる
性格がありますが、変化しやすい
性格と変化しにくい性格があるようです。
固定性が極めて高い障害レベルの性格を抜けば
大局的にはどちらも改善は可能だと考えてよいでしょう。





・性格を改善するにはどうすればいいのか



ではコミュニケーション能力を上げるためには
自分の性格をどのように変化させていけば
良いのでしょうか。




ここからは特に層理論と対人コミュニケーションを
絡めて考えてみます。対人コミュニケーションは
言語と非言語(表情や声の抑揚)によってなされます。
そのため、性格を改善するということは、突き詰めれば、
「言語の使い方」と「非言語の使い方」を改善するということに
なります。




まず、知性的上層に位置する言語部分については、
かなり改善が可能だと考えています。




例えば、今まで否定的な言葉ばかりを
使っていた人の言葉を肯定的に変えるといった改善、
会話の展開や、質問力をつけるといった改善です。




言語力は後天的要素が極めて強いですので
訓練すれば、多くの人がある程度のところまでは
改善できるでしょう。




では非言語部分の改善はどうすれば良いのかと言うと、
非言語部分に関しては、「運動性の改善」と、「心の変化」
の2点に分ける必要があります。




運動性の改善とは、例えば表情筋をたくさん動かす
練習が挙げられます。運動性の部分に関しては、言語と同じく
訓練でそれなりの時間で改善していくと考えられます。
これは例えばマラソンを毎日していれば
誰でもそこそこ走れるようになるのと同じ原理です。




心の部分については根が深く遺伝的影響もかなりあると
思われます。時間がかかると解釈するのが現実的でしょう。
なぜなら心の部分、特に不安や恐怖を感じる部分は
変化しづらい階層に位置しているからです。



しかし、統計上もはっきりしているように、
時間はかかるものの、その改善は可能です。
具体的には認知行動療法などでものの捉え方を変化させて、
人間に対する恐怖心を取り除いていくことになります。





どちらにしても私達は遺伝的な性格を元に、
それを社会と対応するように変化させて
いかなくては生きて行くことができません。





それは改善しやすい部分もあれば
改善しにくい部分もありますが、
できれば改善しやすい部分はさっさと改善し、
改善しにくい部分はコツコツと行きたいものです。






*注意
性格に関しては障害などで、
どしても治らない性格もあります。
そういった場合は、適応できる
環境を探してそこで
生活していくことで改善を図ることになります。









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