「歌舞伎揚」


歌舞伎揚




 創業当初からダイコミュにはアシスタントの武君がいました。
武君は大学院で宗教を研究している学生です。
武君と私はよくこんな会話をしていました。





川島 武君、武君が大好きな「歌舞伎揚」買ってきたよ

武君 ああ・・・ありがとうございます
  (パソコンの仕事をしながら
   横目でチラッと歌舞伎揚見る)

   というか、川島さんが食べたいから買ってきたんでしょ・・・


川島 (無言・・・)   


川島 ところで歌舞伎揚は小さい頃から変わらないよなあ 
   小さな頃に食べた記憶があるが、全く変わっていない。   


武君 もうそれ以上、味を変化させようがないですしね


川島 確かに完成されているよなあ
   世の中が歌舞伎揚みたいに
   完成されたらどんな風になるんだろうね

   (川島、袋から歌舞伎揚を出して食べはじめる)


武君 う〜ん・・・完成ってなんだろう


川島 例えば、ふりかけの「のりたま」は
   完成されていると言って良いよね?
  
   あとは例えば、鉄棒とか、鉛筆とか、はさみとか
   もう改善しようがないよね。


武君 もうそれ以上改善しようがないことを完成と定義する?

川島 YAHOO辞書で検索してみるか。
   (PCをいじり、検索してみる)

川島 ええっと。「完成」とは「完全に出来上がること。すっかり仕上げること。」
   らしいね。なんだか説明になってないなあ。



   腑に落ちない。「完全」ってなんだ??


   (再び検索)



  「完全」とは「欠けたところや足りないところがまったくないこと。
   必要な条件がすべてそろっていること。」
   らしいね。こっちの方がしっくりくるなあ。


武君 欠けたところがまったくない世の中


川島 どんな世の中なんだろうね


武君 とりあえずは歌舞伎揚はありそうですね


川島 歌舞伎揚とのりたま、納豆あたりはあるだろうね・・・
   

   あ〜でもどうなんだろう。
   歌舞伎揚げはそれ単体では「完全」だと思うけど
   世の中全体からみたら果たしてそれは「欠けてはならないものなのかな」   


   欠けたところが全く無い世の中・・・・
   何をもってかけてはならないと考えるか


武君 かけてはならないとは誰が決めるんでしょうね。  


川島 誰が決めるのか・・・



2時間続く・・・





武君と仕事をしているといつもこんな感じで
はかどらないので事務所から出て
ノートPC片手にマックで仕事をしたりしていました。
しかし、武君との会話はいつも楽しかったです。






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