「無人島で1人会ったと思う」


無人島で1人会ったと思う」




 都市は人間関係が流動的。濁流と言っても良い。
農民をやっていた時代は一生かけて人間関係を築いていったものだが、
いまは人間関係は3年続けば長く続いたと言えるのではないだろうか。




 人間関係は瞬間瞬間で判断されていく。
なんとも物悲しいものであるが、それは現実である。
いくら良い人柄を持っていたとしても、それが形になって
伝わらなければせっかくのものが台無しになってしまう。


 
 コミュニケーションをする上で、相手の心の中は見えない。
だから相手は自分のことを声の抑揚や表情や話す内容で
判断せざるを得ない。だから人はある意味で騙されることもあるし、
また本来はすばらいい人であるのに、表に出ることができない
ということもある。



 私自身もとても表現が苦手だったからとにかく苦労した。
自分が考えていることや、感情をうまく表に出せなかったので、
いつも相手からは誤解され続けた。だからそういう意味では、
話す誰かがちょっとむすっとしていたり、
感情を表に出さないタイプでも、この人は冷たい人だとか
レッテルは貼らなくなった。そういう意味では人間と話すときの
幅が広がったのかもしれない。




 さて・・・都市は人間関係の連続であるから、
ある意味で、一つ一つの人間関係の濃度が薄くなっていく。
もし無人島でたった1人になってしまったとしたら、
今日会った誰かとはもっと別の会話をしただろう。




 昔ロビンソンクルーソーという本が大好きで、何度も読み返した。
「達史はいつもロビンソンクルーソーを読んでいるね」
と多読の兄に茶化されたこともある。



 ロビンソンクルーソーは難破した後、無人島に1人生き残る。
それからはとても過酷だった。日々が生きることに精一杯で、
悩みも全て抱え込まなくてはならなかった。




 数年孤独に暮らした後、ある年、近くの島から
やってきたフライデーと出会う。
フライデーは言葉も通じないし、人種も違う。
共通点など何もない。でも同じ人間であって、
身振り手振りや表情で会話ができる。
ロビンソンクルーソーは人生が変わったように喜んだ。




 現実問題として、都市は無人島ではない。人はいくらでもいる。
でもどちらが「人の価値を認識できる場所なのか」
といえば多分無人島の方が濃いだろう。


 
 大量の人間がいればいるほど、
その一つ一つの出会いを軽く考えるという
効率的とも病的ともいえる機能を人間は備えているように思う。
この病理性に自動操縦される癖がついている場合は
どこかでそれに気付く必要があると感じる。



もしその人が
「もし数年1人で無人島で漂流して、
この人とあったらどんなに嬉しいだろう。」
と想像してみる。するとなんだか嬉しくなってくる。




 もし自分の人間関係がさらさらと流れていく感覚があって、
それによってなんだか自分の心が満たされていないと感じるなら
そう想像してみるといいかもしれない。

 

 



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