「言葉は人生の幅を広げる」

「言葉は人生の幅を広げる」

　萌え　という言葉があります。
オタクが作った言葉で１０年前ぐらいから市民権を
得たことばだと言えます。

　ソシュールは使っている言葉によって
人間の感情や物事の捉え方は異なると考えました。

　例えば、「萌え」という言葉を知っている状態と
知らない状態では、世の中の感じ方が異なってしまうのです。

　萌えという言葉を覚えると、
今までになかった感覚が刺激され、
ああ・・こういう感覚があるんだな。
と感情の幅が広がっていきます。

　数年前、「どんだけ」という言葉が流行りました。
これはこれでまた一つの世界観です。
どんだけという言葉を知っているのと
知らないのとでは表現の幅や、
物事に対する捉え方の感覚が異なってくるのです。

　最近の言葉で例を出しましたが言葉を知ること、
語彙を増やすということは、
世の中の様々な見方を得ることにもつながります。

　コミュニケーションは大きく分けて、
「聞く」と「話す」があります。
聞く能力を高めるためには、「受信力」が必要になります。
受信するということは、相手の話を様々な角度から検証、
咀嚼して、自分なりに理解をすることです。

　このとき語彙が不足していると、受信の幅が大雑把に
なりすぎてしまいます。感情の幅が狭いので、
相手の複雑な心の動きを上手く捉えることができず、
深い意味での共感や、相手へのフィードバックが難しくなってしまいます。

　基本的な会話をする上ではそこまで難しい言葉は必要ありません。
むしろ難しい言葉を使うとわかりにくくなってしまったりします。

　しかし、単純な言葉だけでは
自分自身の感情の幅も狭くなってしまいます。
返し方もワンパターンになり、あっさりとした味になってしまうでしょう。
なんと言いますか、とりあえず生きていくために、
サプリメントで栄養をとっているような。
蛋白で味気ないものになってしまいます。
人生もったいないと思うのです。

　
　コミュニケーションの学習をすると、
本当に「言葉」という発明は、すごいなあと感じます。
こうやって、こんなに万能で、人生を豊かにも
不幸にもしてしまう道具は他にはないでしょう。

　個人的にも言葉の幅をもっと広げようと思う
今日このごろです。

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