表情恐怖症だった頃


 20歳の前半の頃、表情恐怖症になったことがあります。
自分の顔に対する意識が強くなり、「人にどう見られているか?」
と言うことばかり気にしてしまうのです。


  表情恐怖の時は、顔の美醜や表情に気を取られ、
会話そのものに集中することができません。
全ての意識は「自分がどう見られているか」に収束しているからです。


 そして過度に意識する余り、顔面が硬直し、なんとも言えない
表情になっていきます。私は人と話すときに、表情筋が
ピクピク動いてしまうと言った症状が出ていました。


 今ではこういった症状は消えてしまいました。人と話をする時の
意識の在り方を変えたのが大きかったと考えています。


 具体的には「人からどう見られるのか」と言った、
「自分に向けた意識」ではなく、

 「人のいいところはどこか?」と言った、
「他者に向けた意識」に変えて行ったのです。


 自分に対する意識を抑えると、周りが見えるようになり
だんだんと会話をする事が楽しくなって行きました。
 もちろん、「自分がどう見られているのか」と言う意識を
最低限持つことは必要です。無礼のないようにしなくてなりませんから。


 しかし過度に自分に対する意識を強めると会話の主体が
自分への意識になってしまい、他者との関りがなくなってしまいます。
自分との内的会話が精一杯で、相手とまともに話すことができないのです。


 人と対峙する時は自分と言う意識と、他者と言う意識の
バランス感覚が非常に大事になるのです。自分に対する意識が
強くなり過ぎていたら周りに意識を向けるようにすると良いでしょう。
私が実を持って体験した話でした。