「沈黙とコミュニケーション」


「沈黙とコミュニケーション」



 
心理学者のニューマンは、親しくない人と
会話をしたときに「沈黙」があると、
人間はおたがい否定的な感情を覚えることを明らかにしました。
いわゆる「気まずい」と言う感情です。



例えば家族の会話と初対面の方との会話を
比べてみましょう。




大概の人が家族と沈黙があってもたいして気にしません。
しかし、初対面の人と会話をするときに沈黙があると
気まずいと思います。



どうして初対面で沈黙があると気まずいと思うのでしょうか。
それは初期段階はお互いが得体の知れない人ですので
積極的に会話をして、お互いの警戒心を
取らなくてはならないからです。
これは生物的な本能にから来ていると考えて良いでしょう。




初対面で、沈黙が起こると、




「まずい!もっと情報交換しないと、
危険な人かもしれない!情報を集めよう」



「自分は得体の知れない人だと
思われているかもしれない!情報を伝えよう!」




と人間は感じるのです。この意味で人間は沈黙を気まずいと感じるからこそ、
情報交換に対するモチベーションを保っているともいえます。
沈黙を気まずいと思うのは当たり前のことで
人間として健康な感情が育っている証拠なのです。






しかしながら、気まずいと言う感情が「過剰」になると、話は別です。
過剰な状態ではとても疲れてしまいます。楽しむと言う以前に、
沈黙を避けるように展開しなくてはならないため
どこかあせったような会話になります。






現実的には沈黙の気まずさを認めながら、その気まずさを
「適度」に利用して会話をしていくのが良いと言えるでしょう。
当たり前の感情を当たり前に持っていることを認識して、あせらず素直に
会話を進めていく。たまには沈黙があってよいと言う前提で
話すと丁度良いでしょう。









**