「麻の中の蓬」


「麻の中の蓬」




麻の中の蓬(あさのなかのよもぎ)



意味;
蓬のように、曲がりやすい植物でも、
麻のようにまっすぐに伸びる植物に囲まれれば、
自然にまっすぐ伸びるようになる。


出典:「荀子−勧学篇」





経営者として仕事をする上で、
大切にしていることわざです。
今回は特に「仕事と集団」をテーマ
としてコラムを書きます。




私は18歳ぐらいまでは勉強が嫌いでした。
しかしながら19歳の頃から強い麻に囲まれることで、
いつのまにか勉強をするようになりました。
勉強する集団に属する事で、勉強嫌いの私も
勉強を自然とするようになったのです。





また仕事に対しては、高校生の頃から漠然と
起業家になろうとは思っていたものの、
今のように明確なビジョンを持っていたわけではありませんでした。
10代の頃は、自分が食べていける分だけ稼げれば、
それで充分だと考えていました。





しかしながら麻としての存在は本にありました。
私は起業家達の本を読み漁ることで、
会社に社会性を持たせること、頑張ること、
仕事はお金のためだけではないこと、
どん底でもあきらめないこと、努力し続けること、
情熱を持つこと、失敗をどんどんすることの
重要性を学び、仕事に対する考え方も大きく変えていきました。




また就職してからは、ハードワーカーである
創業社長の傍で働き、知識を超えた実学を経験しました。






自分を成長させるには、自分は到底及ばないのではないのでは
無いのかと言うような尊敬できる人と、積極的に
アプローチしていく姿勢が大事です。
自分にとっての麻だと感じる人物と絶えず一緒にいれば、
自分自身も麻に近づくことができます。




もちろん、私自身はまだまだです。自分が麻なのだとは
到底思っていませんが、少なからず、近づいてはいるの
ではないかと思います。




この文章を読んでいる方の中には
「こんな優秀な人達がいるところで
自分は果たしてやっていけるのだろうか?」
と尻ごみしてしまうような環境に
今から飛び込んでいく方も
いらっしゃるかもしれません。





もしかしたら、最初はその方たちに対して、自分は
蓬だと感じ、劣等感を覚えるかもしれません。
しかし、そういった自分自身を超えた人たちと一緒に
いれば、自然と仕事に対する考え方や
アプローチの仕方も変わっていくのだと感じます。






また、もしかしたら自分自身が麻で、他の方の目標が低くて、
蓬だと感じる環境にいらっしゃる方もいるかもしれません。
そういった場合は、自分自身が麻であり続け、
周りをひっぱって行く必要があります。
もしあなたが、自分自身を蓬にしてしまったら、
その集団は蓬としてもう終わってしまうのですから。






周りには麻を求め、自分自身が麻を目指す。
仕事をする上で心がけたいものです。









*注意


麻、蓬と言う価値観は人間の優劣に結びつき、
これを助長させると、人間関係が悪くなりやすくなります。
自分自身のビジネススキルを向上させると言う視点で考えたときのみ、
私はこのことわざを大事にしています。




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