「情報は無くならない」


「情報は無くならない」



(気がついたらすごい長いブログにっ。
 最後まで読めたら飴ちゃんあげます)



 私たちは洗濯機、テレビ、パソコン、
電話、Fax、中華料理、はさみ、ライター・・・
等々様々な物質に囲まれて生活をしています。
 当たり前のように消費しているこれらの
物質は実はコミュニケーションと深い関わりがあります。



 私達はマクロレベルで考えれば間違いなく、
昔の人よりも情報優位な立場にあります。
なぜなら私達は先人達が築き上げてきた
情報が保存された社会で生きているからです。



対人コミュニケーションよりも少し広い話になりますが
今回は「情報の保存」をテーマに雑談感覚で
コラムを書いてみたいと思います。




1.粘土版と文字の開発


 まず4000年前のシュメール文明で初めて粘土板が開発されました。

同時に人間は文字を開発し、これによって情報を保存するようになりました。
それまで人間は文字をかけなかったのですが
粘土を固めながらその上に文字を書くことで、
情報を保存できるようになったのです。




 文字が開発されたという事はすごいことです。
文字は人間の思考を相当複雑にしました。
人間が物を考えるときはどうしても文字を
記録して思考を進めていく必要があります。

 

 それまで人間は言語(話し言葉)は扱えたわけですが、
文字を書くようになることで、より複雑な思考を
することができるようになったのです。




 文字のすごさについてもう少し説明が必要かもしれません。
文字は記録しておけば、それはその人が死んでも
そのアイデアは永遠に残ります。
例えば、カレーのレシピを残しておけば
誰に教わることなく、カレーを作ることができます。
私達はいちいち、カレーの作り方を試行錯誤して
イチから考える必要は無いわけです。

  

 

 そして、考える必要が無いわけですから間が空きます。
そしてその空いた時間を使ってさらに発展的な物を
考えることができるのです。




 Aさんが考えた情報をaとします。
Aさんは寿命があるので死にますが、
情報としてaは残っています。
子孫であるBさんはaを改良してbaを作り出します。
Bさんが死ぬと今度はCさんはbaを改良してabcを創ります。



 ところが情報が保存できないと、
Aさんが考えた情報aをまたBさんが
考えつかなくてはなりません。
思考が進まないのです。



 情報の保存場所と文字を作る
ということはとても大きな出来事なのです。




2.パピルスの開発



 話を戻すと、4000年前に粘土板が創られたわけですが、
粘土板は言うまでもなく重いですし、文字を彫るのも一苦労です。




 そこで約1000年後の紀元前3000年前にパピルスができました。
パピルスによって粘土板よりももう少し情報の保存手段がよくなりました。
パピルスは例えるならばとベニア板をもうちょっと薄くして
かつ色も紙っぽくしたものです。
ベニア板っぽいので、まあ粘土板よりは書きやすいのですが
折り曲げたりするのはなかなか難しいのです。




 ここで着目すべきは1000年と言う月日です。
めちゃめちゃ時間がかかっています。
人間は文字を開発したわけですが、それはまだまだごく一部の
特権階級しか使えなかったわけですし、
思考が単純だったため、現代で考えれば開発の速度が遅かったのです。
1000年とか、時間がかかりすぎですよね。でもしょうがない。
現代で考えれば文字をかけないわけですから
精々小学生ぐらいの単純な思考しかできないのです。




 それに粘土板ぐらいしか情報の蓄積手段が
無いわけですから人類全体で全然思考が進まないわけです。
文字も書けない、難しいことも考えられないわで
人間はなかなか前に進むことができませんでした。




3.木簡の開発



 さて、その後ですが、これまた2500年ぐらい進んで中国で木簡が開発されました。
これも時間かかりすぎですね(笑)
木簡と言うのは平べったい木に文字を書いていくやりかたで、
墓地にある卒塔婆(墓の後ろに文字が書いてある板)に似ています。
木簡は木を材料にしているので、わりと手に入りやすく中国を中心にしばらく使われました。




4.紙の開発


 さてさて、いよいよ西暦100年ごろに「紙」が開発されます。
これが今の現代社会の礎を築いたといっても過言ではありません。
紙が開発されてなければ私達はもしかしたらふんどしをつけて
桑と牛で農作業をして、度々飢饉に襲われて、百姓一揆をしていたかもしれません。
吉野家で安くておいしい牛丼を食べられるのは紙のおかげなのです。
今吉野や調子が悪いようですね。頑張れ吉野家



 

 こんな風に考えると「紙」が「神」に見えてきますが、
それはおいておいて「神」と形容したくなるぐらい
「紙」はすごかった!なんといっても軽いですし量産が可能です。
文字も書きやすく、折り曲げて運ぶことができます。
西暦100年ごろであればまだ手書きの時代でしたが、
それでも相当情報の保存がしやすくなりました。




5.活版印刷の開発

 
 さて、さらなる情報革命がまた起こります。
今度はちょっと時代が進んで1400年代に起こります。
それはなんでしょうか?気がついた方がいらっしゃるかもしれません。
それは活版印刷です。活版印刷はイメージで言うと版画に近いです。
あらかじめ文章を決めておいて、あとはインクをつけて押すだけ。
これでたくさんの本を発行することができるようになったのです。




6.知恵のパクリ合い?


 本は世界中を駆け巡ります。
先人達の知恵がどこの世界でも使えるようになったのです。
ある意味でパクリです。世界中の国はそれぞれ使用する言語が
違うわけですが、翻訳さえできれば先人達が一生懸命
考えて研究したことを一瞬でパクることができます。



 私の時代の受験勉強では英語の作文や会話よりも読解力の方が
点数の比率が高いですが、これは難解な英語論文をパクルためと言っても
過言(?)ではないと思います。難解な英語論文は、物質的な何かを
生み出すための知識の宝庫です。どえらい学者さんたちが考えた情報を
英語が読めればどんどん吸収できるわけです。



 英会話は対人コミュニケーションを円滑にするためのものであって、
それ自体が本質的なアイデア(特に物質的な)を生み出すわけではありません。
対人コミュニケーションのための英会話力と、物質的な何かを生み出すための
英語力は本質的に全然別物なのです。




7.一人当たりGDPは平準化していく?


情報力は国の豊かさと正の相関関係があります。
その意味で現代では様々な媒体により情報が
共有することができるようになっています。
ベーシックな情報については世界中どこでも
共有されていきます。


昔は言語の壁や電子媒体が発達していなかったし、
国の体制によって情報が操作されていたり、
識字率が悪かったりとなかなか情報が平準化せずに
いましたが、世界中で識字率は上がっていくでしょうし、
教育水準も上がっていくでしょう。そうなると
ある意味で世界中平等に物が考えられるようになり、
もっと加速度的に情報が保存され続け、
豊かな社会ができていくでしょう。



私は日本人がダメになったとか全然思いません。
ダイレクト、インダイレクトを含めた
総合的なコミュニケーション能力は
昔の人よりも全然上です。



どちらかというと世界中の人が当たり前の
知識を持てるようになった結果なのです。
その意味で、まだ何百年か先かもしれないけれど
各国の知識と情報の保存量の格差は平準化していって、
一人当たりのGDPも段々均衡していくと思います。



日本は確かにGDPレベルでは相対的に順位を
下げていくけれど、でも生活レベルが下がるかと言うと
全然そんなことは無いのです(もちろん例外はありますが)。
むしろ世界が発展すれば、それだけ豊かなアイデアがたくさん
生み出されていくわけですから、私達の生活はもっと暮らしやすくなるのです。


中国人が考えたアイデアでも、
アメリカ人が考えたアイデアでも、
ブラジル人が考えたアイデアでも
北朝鮮の人が考えたアイデアでも
いいものはいいのです。



アメリカ人が考えたインターネットで
アメリカの人は儲けたけど日本人の生活も
随分豊かになりました。



中国人が考えた中華料理をルーツに
私達は餃子の王将でおいしいラーメンと
餃子を食べることができます。


中国人10億人もいるのですから天才が現れて、
空飛ぶマントを作ってくれるかもしれません。
日本人が考えようが中国人が考えようが
空を飛べることには変わりはありません。


さて、個人的な見解でありますが、
私達は先人達の知識の上に立脚して
生活をしているわけですが、
これを次世代にきちんと伝えるという
義務と責任を負っていると思います。


またただ情報を踏襲するだけでなく、
情報を「創る」責務も負っていると感じています。



というわけでは私は
対人コミュニケーションについてしっかりと研究をして
このアナログでつかみ所の無い世界の情報を研究し、
その情報をしっかり次世代に伝えたいと思うのです。



おわり










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7/4 ストレスワンデーセミナー講座

http://www.direct-comm.com/course/onedayseminar.html

小林先生



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