「コミュニケーション能力が高い人と低い人の会話」

「コミュニケーション能力が高い人と低い人の会話」




またまた面白い論文を発見いたしました。


*******************
田中 健吾 , 相川 充 , 小杉 正太郎  2002
ソーシャルスキルが2者間会話場面のストレス反応に与える効果に関する実験的検討
社会心理学研究 17(3), 141-149,
*******************


簡単にどんな実験だったのかというと


「コミュニケーション能力が高い人」
       と
「コミュニケーション能力が低い人」


が会話した場合にそれぞれどんな感情の変化があるか?
ということを分析した実験です。


結果として、コミュニケーション能力が高い人は
実験前よりも機嫌が良くなり、不安や怒りが減り、


逆にコミュニケーション能力が低い人は
実験前よりも不機嫌になり、不安や怒りが増えてしまったのです。



これは(少なくとも私には)体感的に納得できる結果だといえます。
例えば飲み会でとても活発な集団でテンションを上げて飲むような場合、
おとなしい部類に入る私はついていけないので
何とも言えない挫折感を覚えたりします。
またどちらかというとおとなしい方と話す場合は
なんとも言えない安心感があったりもします。




ここで注意しなくてはならないことは
コミュニケーション能力が高い人は、
低い人と会話をするとき、知らず知らずのうちに
相手に不快な思いをさせてしまっている恐れがあるということです。
そのため、相手に合わせて少しだけテンションを下げたり、
会話のリズムをゆっくりにして相手が疲れないように配慮する必要があるかもしれません。



逆に低い人が高い人と話す場合はちょっとやっかいです。
この場合は相手に圧倒されてしまったり、
何とも言えない劣等感に支配されることもあるでしょう。
心理学的な見地というよりも講師の経験則ではありますが
対策を3つ挙げてみたいと思います。



1つ目の対策としては
時間はかかりますがコツコツ会話のスキルを磨くことです。
積極的に友達と話して、経験を積んでいきましょう。



2つ目は会話の相手を回避することです。
自分とあまりに合わない人と
無理に会話をし続けると自信を失う
結果になってしまいます。
つらくてしょうがない場合は前向きに回避しましょう。


3つ目は
相手を「先生」だと考えてしまうことです。
同列な人ではなく、先生であると考えてしまうのです。
例えば同期と話しているときに相手の方がうまく話していると
「どうして自分はこんなに話せないんだろう?」
と後ろ向きになってしまいます。

しかし「先生」と考えれば「この人から色々学ぼう」
という思考に切り替わってきます。
先生と考えてしまえば相手がうまいのは当たり前で
自分がへたくそなのは当たり前なのですから
悩まなくても済みます。そして相手の良い面も吸収できるので
一石二鳥です。





それにしてももコミュニケーションって複雑ですね。
だからこそ面白いとも言えますが。
勉強♪勉強♪







***************