「刺激とストローク、交流分析」


「刺激とストローク交流分析




 対人コミュニケーションに関しては、様々な分野がありますが、
今回は交流分析で使われている概念について解説します。
交流分析は、実務レベルだといまいち使いづらいので、
コミュニケーション講座では本格的には取り入れていません。
しかし、ストロークと言う概念は非常に重要なので、
ブログでも簡単に触れておきます。
もしかしたら将来的にはワークでも解説するかもしれません。




ストロークと3つの反応



ストロークを簡単に解釈すると、「人に対して反応する」
ことを意味します。どんな反応でもOkです。
反応すればストロークです。例えば、会話の相手を見る、
あいさつをする、怒る、しかる、これらは全てストロークです。




さらにストローク



「ポジティブなもの」と「ネガティブなもの」
に分けることができます。



「ポジティブなもの」だと、笑顔を向けたり、
やあっと挨拶をしたりすること意味します。
「ネガティブなもの」だと、相手に対して
しかめっ面をしたり、文句を言ったりする反応になります。




さらに交流分析上は、もう1つのパターンを想定します。
それは、「ストロークをしない」と言うパターンです。
すなわちこれは、「無視をする」ということになります。




まとめるとストロークを考える上では
1ポジティブなストローク
2ネガティブなストローク
ストロークをしない(無視)


の3つを想定することになります。





ネガティブなストロークと無視


ここで、直感的には、ポジティブなストローク
人間関係を良好に保つ上で重要だということはご理解頂けると思います。
問題は、ネガティブなストロークと、人を無視する事のどちらが、
人間関係に悪影響を及ぼすのかと言うことです。





ここで、交流分析創始者であるエリックバーンは
以下のように主張しています。



「人は常にポジティブなストロークを求め、ネガティブなも
のを避けると誰しも思うかも知れないが、しかし実際は違う
原則に従っている。つまりどんなストロークでも、何もないよりはましなのである。
この着想は、動物発達に関する残酷な手続きを使った研究で裏づけられている。
その一つは、子ねずみを2組に分けて同じ特長のない箱に入れるものだ。
一つのグループには、1日に何度か電気ショックを与え、
他のグループには与えない。実験者が驚いたことには、
例え苦痛なショックでもそれを与えたねずみのほうが、
刺激を与えないねずみより発達が良かったのである。」




(I.スチュアート・V.ジョインズ,深澤道子(監訳) 
1991,TA TODAY:最新・交流分析入門 東京:実務教育出版)




これはコミュニケーション能力を向上させる上で
絶対に抑えておくべき心構えです。




例えば、しかったり、しかめっつらをしたり、怒ったりする
ことは、まだその人の存在を認めている証拠です。しかし、
「無視する」と言うことは、その人の存在を認めていないという
ことになりますので、極めて失礼にあたるのです。



控えたい行動


具体的には以下のような行動を取ることは、
人間関係に最悪な結果をもたらします。
絶対に控えたい行動です。



・あいさつをしない
・無断欠勤をする
・集団でシカトをする
・電話を無視する
・メールを無視する
・メールを数日もの間返さない ←これは、多くの人がやりがちですが、
                実はかなり失礼です。メールは原則的には次の日に
                返しましょう。
・目を一切合わせない
・話を聴かない
・何も言わずに先に帰る

・存在を認めないような発言
 Ex「あれ、そういえばあいついたっけ?
   まあいいや。いてもいなくても変わらないしな。」

・人をもののように扱う発言
  Ex「あいつは使えない」
  




人間関係の基本はストロークをすることです。
それがポジティブなものであれば、ネガティブなものであれ、
まずはストロークです。その人と今後も関わって行きたいの
ならまずはその人の存在を認め、反応を返すように
心がけましょう。










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