「検索癖がもたらす弊害」


「検索癖がもたらす弊害」




 私はまがいなりにも経営者であり、
叱ってくれる上司がいない。
会社員時代は眉間に皺を寄せた上司が
後ろでふんぞり返っていて、威圧されていた。
それはそれでイヤだったのだが、
叱ってくれる人がいないという状態も
意外と不安定なもので「叱って欲しい」
というマゾヒズムがむくりとおきだす。



 そんな時は、老人のぼやきのような堅い本を
大抵読むのだが、今回は石原慎太郎堕落論を読んだ。



 その中で気になった文があった。

 


「彼ら(若者)はパソコンなどの効用で多くの情報を体得しているが、
それが返って仇と成って抱えている情報にがんじがらめになり、
身動きができにくくなってしまっています。大学で教えている
何人かの友人が同じ所感を述べていますが、抱えている情報の整理や分析、
その評価も結局また情報に頼らざるをえない。
ということは、それらの情報はただの情報でしかなく、
身体性を欠いているから、つまりただ上っ面のもので、
血肉化していないから彼らにとっての真の教養とはなりきれない。」


石原慎太郎 新堕落論  新潮社新書 pp150
 




 今はインターネットが発達しているから、
軽い情報であればネットですぐに調べることができる。
私自身、重要性の無い用語は
心理学辞典や論文を探すよりも、
グーグルの検索で終えてしまうことが多々ある。



 しかしながら、情報の検索癖をつけてしまうことは、
1つの危険性もあるわけで、自分なりの仮説や考えを熟成させる時間を
省略してしまっていることにもなる。
簡単な分、血肉化している感覚が無い。
血肉化けしていないからすぐに忘れてしまうし、
薄いサラサラした情報だけが表面的に
漂っているような感覚でそれを元に真に価値のある情報を生み出せる気がしない。




 例えば「人が怖い」という感情が芽生えたときに、
「人が怖い」という感情はどんな感情なのだろうと考えたとする。
ここで、昔(ネット普及以前)であれば、図書館で調べたのであろうが、
なかなかそういった情報には行きつかなかったと思われる。
調べ物に時間がかかるということは、
ある意味で、自分なりの仮説を考える時間が長くあったということになる。


 
 今は5秒で情報が手に入るが、
昔は疑問に思ってから図書館に行って
探したりするだけで早くても数時間、
論点によれば半日とかかかったのではないだろうか。
その間にきっと「ああでもない」「こうでもない」
と自分のあたまの中で意見を作り上げて言ったと予想される。



 そういった自分なりの考えを熟成させる時間が長い分
「自分の意見を持つ力」は今よりももしかしたら
高かったのかもしれない。



 検索エンジンで得られる知識はあくまでも知識である。
「自分の考え」ではない。知識を加工して自分の考えに熟成させる作業が
抜け落ちると、結果「身体性を欠いた、血肉化していない上っ面な教養」
になってしまうと感じる。



 これを防ぐために自己防衛をするとすれば、
目的にもよるが、何か疑問を覚えたときは、
すぐにネットで検索するのではなく、
自分なりの仮説や問題意識を固め、
ある程度と予測をしてからその情報を見てみることである。



 そして情報を検索したら、それで終わりにするのではなく、
自分の仮説が正しかったのかどうかを考え、
そして得られた情報を元に、再度自分の考えに加工する
作業が必要になってくるのではないか。



 




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